とろんこアカデミーBLOG

2026年10月26日(月)「わかる」と「思い出せる」のあいだ

いつもとろんこアカデミーのBlogをご覧いただき、ありがとうございます。

当ブログでは、とろんこアカデミーでの日々の取り組みや、子どもたちの様子を紹介しています。
子どもやスタッフの顔等はプライバシー保護の観点からモザイク等の処理を施しております。あらかじめご了承ください。
本日も最後までご覧いただけますと幸いです。

~とろんこの活動の様子~

昨日、確かに覚えたはずなのに、今日は思い出せない。
何度も確認した名前が出てこなかったり、さっきまで覚えていた用事をふと忘れてしまったり。
そんな経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
人の記憶は、情報を一度取り込めば、そのまま保存され続ける仕組みではありません。
新しい情報に注意を向け、それを記憶として取り込み、時間の経過とともに保持し、必要なときに思い出すという、いくつもの過程を経ています。
心理学では、情報を取り込む過程を「記銘」、保っておく過程を「保持」、必要な情報を取り出す過程を「想起」と呼びます。
例えば、漢字の練習をしたとき。
書き方を見ながら練習すれば、その場では正しく書けることがあります。
しかし、翌日に何も見ずに書こうとすると、形が曖昧になってしまうこともあります。
これは、見本を見ながら書けることと、記憶から自力で思い出して書けることが、必ずしも同じではないためです。
また、情報を記憶に取り込む段階では、注意の向け方や、すでに知っていることとのつながりが影響します。
ただ文字を目で追うよりも、意味を考えたり、自分の知っていることと結びつけたりするほうが、後から思い出す手がかりを作りやすくなります。
では、一度覚えたことを忘れてしまうのは、なぜでしょうか。
理由は一つではありません。
時間がたつことで記憶が思い出しにくくなることもあれば、別の情報が影響することもあります。
また、記憶そのものがまったく失われたとは限らず、思い出すための手がかりが足りないだけの場合もあります。
「あの言葉、知っているのに出てこない」という経験は、思い出すことの難しさをよく表しています。
記憶を定着させるためには、何度も見直すことに加えて、いったん時間を置き、自分の力で思い出してみることが役立ちます。
例えば、漢字を練習したあと、少し時間を置いてから何も見ずに書いてみる。
算数の解き方を確認したあと、翌日や数日後に、もう一度その考え方を使ってみる。
このように間隔を空けて学び直すことや、記憶から情報を取り出す練習は、長く覚えておくために有効だとされています。
もちろん、繰り返せば必ず同じように覚えられるわけではありません。
学習した内容や難しさ、その子の理解の状態によっても、必要な練習は変わります。
とろんこアカデミーでの学習でも、以前取り組んだ問題に、日を改めてもう一度向き合うことがあります。
前に学んだ漢字を別の日に書いてみたり、以前の計算方法を使う問題に取り組んだりする中で、子どもたちは知識を思い出し、確かめ、少しずつ使えるものにしていきます。
そのとき大切なのは、忘れていたという事実だけで判断しないことです。
どこまでは覚えているのか。
どんなヒントがあれば思い出せるのか。
言葉で説明するとわかるのか、それとも図や具体物があると理解しやすいのか。
一人ひとりの様子を見ながら、思い出すための手がかりや学び方を探っていきます。
記憶は、ただ情報をしまっておくための引き出しではありません。
必要なときに取り出し、使い、また新しい知識と結びつけることで、学びは深まっていきます。
昨日は思い出せなかったことが、今日はヒント一つで浮かんでくる。
その瞬間は、単に答えが出たというだけではなく、記憶と今の学びがつながった瞬間なのかもしれません。

最後まで当Blogをご覧いただき、ありがとうございました。
明日もとろんこアカデミーは皆様の来所をスタッフ一同、心よりお待ちしております。
何卒よろしくお願いいたします。

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